法定相続人にならないのは誰? 法定相続人の盲点を確認します。

相続

続人にならない人が誰か,ご存じですか?

「ん?家族以外は相続人にならないでしょ?」

と思ったあなた,半分正解です。
相続人になるのは法定相続人と受遺者ですよ,ということは前にお話ししています。
受遺者は遺言の内容によって変わるのでここでは言及しませんが,一見すると法定相続人に見えるご家族でも,実は違っていたということがあります。
今回はそこを説明していきたいと思います。

法定相続人の範囲

まずおさらいですが,法定相続人として相続の対象になる人が,
 ・配偶者
 ・子
 ・父母
 ・兄弟姉妹

ということは,皆さんご存じかと思います。

配偶者がいれば,必ず配偶者は相続人になります。
子がいれば,配偶者とともに相続人になります。子がいなくて孫がいれば,孫が相続人になります。
子がいなくて父母がいれば,配偶者とともに父母が相続人になります。父母がいなくて祖父母がいれば,祖父母が相続人になります。
子も父母もいなければ,配偶者とともに兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹がいなくて甥姪がいれば,甥姪が相続人になります。

法定相続人にならない人

では,一見すると法定相続人に見えるけれど,実は法定相続人ではない人を確認していきましょう。

相続の欠格事由に該当する人

・・・いきなり難しそうな言葉が出てきました。
欠格事由を簡単に言うと,被相続人(亡くなった方)や相続人に対してやってしまった「とんでもないこと」です。
民法で「とんでもないこと」の内容は規定されています(民法八百九十一条)ので,見てみましょう。

1.故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

2.被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。

3.詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者

4.詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

5.相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

・・・まさに「とんでもないこと」です。
欠格事由に該当する場合,相続人はその資格を強制的に剥奪され,相続の権利をすべて失います。
ダメですよね,こんなことしちゃ。

相続廃除に該当する人

これも難しい言葉ですね。
相続廃除の理由を簡単に言うと,被相続人に対してやってしまった「ひどいこと」です。
民法で「ひどいこと」の内容は規定されています(民法八百九十二条)ので,見てみましょう。

1.被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えた

2.相続人に著しい非行があった


・・・ひどいですね。
欠格事由と違うのは,被相続人が相続人の廃除を家庭裁判所に請求して受理されなければ,相続人の廃除はできない,ということです。
こんなひどいことをしちゃダメです。

相続放棄をした人

これはわかりますね。相続放棄をした人は相続が始まった時から相続人ではなくなります
ただし,相続放棄は相続が始まってからでないとできません。
相続が始まる前に「相続放棄します」と宣言しても,法律上有効にはなりません。
必ず相続が始まってから,家庭裁判所に申述してください。

内縁の妻・夫

法定相続人になれるのは,法律上の配偶者に限られます。
内縁というのは法律婚ではありませんので,法定相続人になれません。
ただし,被相続人に他の相続人がいない場合で,家庭裁判所が「特別縁故者」と認めた場合には法定相続人になれることがあります。(民法九百五十八条の三

離婚した元妻・元夫

元夫婦とは言え,相続が開始した時点では法律上の夫婦ではありませんので法定相続人にはなりません。
ただし,元夫婦の間に子がいる場合,その子は法定相続人になります。
相続の権利についても,元の夫婦の子と今の夫婦の子は同じ権利を持ちます。
当然ですが,離婚後にできた子は法定相続人にはなりませんよ。

非嫡出子

また難しい言葉が出ました。
非嫡出子とは「法的に結婚していない男女の間に生まれた子」をいいます。
相続は法的な婚姻関係を基本にしますので,たとえ血の繋がりがあっても非嫡出子は法定相続人にはなれません。
ただし,生前あるいは遺言で認知すれば,法定相続人になることができます。
気がかりがあるのでしたら,生前にしっかり準備してくださいね。

配偶者の連れ子

実は,結婚した相手に連れ子がいた場合,同じ戸籍に入っていても法定相続人にはなれません。

「え?同じ戸籍に入っている結婚相手は法定相続人になるのに?」

そうなんです。
配偶者は常に相続人になると民法で定められています(民法八百九十条)が,連れ子は相続人になれません。
婚姻は,あくまで法的に夫婦関係を作るもので,連れ子との親子関係まで自動的に作るものではないのです。

連れ子が相続人になる方法は2つ。

1.養子縁組をする
2.遺言に遺贈させる旨を記述する


どちらかの方法で連れ子にも遺産を相続することができます。
なお,結婚した後にできた子(実子)は,当然に法定相続人となります。
同じように育った連れ子と実子だとしても,法的には立場が違うことを覚えておいてくださいね。

甥・姪の子

被相続人に配偶者,子,両親がいない場合,兄弟姉妹が法定相続人になりますが,兄弟姉妹も相続開始時にいない場合は,甥・姪が法定相続人になります。
そして,甥・姪も相続開始時にいなくて,その子がいる場合・・・
甥・姪の子は法定相続人にはなりません。(民法八百八十九条
被相続人の子や孫は,ずっと続いて法定相続人になりうるのですが,甥・姪から先は法定相続人にはならないのです。

養子縁組した子の子

・・・言い方が面倒ですね。(笑)
これは,すでに子がいる人を養子縁組した場合の話です。
被相続人から見れば,養子縁組した人とその子は,子・孫に見えると思います。
でも民法上,養子縁組した時点ですでに子がいる場合,その子(被相続人から見れば孫)は相続人にはなりません。

なぜでしょうか?

実は,子がいない人を養子縁組して,その後に生まれた子(被相続人から見れば孫)は相続人になれます。
養子縁組すると,民法上その人は被相続人の実子と同じに扱われます。
実子から生まれた子(被相続人から見れば孫)は,当然相続人となる資格がありますよね。
ところが,養子縁組する前からいる子は被相続人とは法的に何の関係もありません。
養子縁組した後でもその状況は続くため,相続人にはなれないのです。
養子縁組は,あくまで法的に親子関係を作るもので,孫・ひ孫などの関係まで自動的に作るものではないのです。

法定相続人の配偶者

これはご存じだと思います。法定相続人の配偶者は,法定相続人にはなりません。
よくある例としては,息子のお嫁さんとか,娘の旦那さん,ですね。

いかがですか。
法定相続人になれない人の範囲は,思っていたより広いのではありませんか?
基本的に,ここで書かれた人たちは法定相続人にはなれません。
ただし,どんなことにも例外はあります
後で法定相続人の例外についても説明しますね。

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