相続でトラブルになるのはどんなご家庭か，考えたことはありますか？
ドラマなどでは，資産家が相続でもめているイメージがあると思いますが，実際トラブルになっているのは資産家・お金持ちだけなのでしょうか。
ちょっと調べてみました。
意外と身近 遺産相続の裁判・調停
相続に関する裁判や調停が何件あったのか，実は裁判所の司法統計から調べることが出来ます。
今回調べたのは，「令和３年 司法統計年報（家事編）」です。
この中から，抜粋して2つの表を載せてみます。
1つ目の表は，全国の家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件の件数。
2つ目の表は，家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件のうち，調停などが成立した件数です。
※元のファイルが少々見づらいので，こちらで作り直しています。
これによると，令和３年では全国で13,447件の遺産分割に関する裁判・調停が行われ，
そのうち6,934件で調停などが成立しています。
成立した6,934件の「資産の価額ごとの件数」が公表されているので，そちらを見てみますと・・・
1,000万円以下 2,279件 全体の約32.8%
5,000万円以下 3,037件 全体の約43.7%
つまり，相続に関して何らかのトラブルがあったのは，
資産額5,000万円以下のご家庭が76%以上を占めている
と言うことになります。
逆に，資産額が多いご家庭は25%に満たないのです。
ちょっと意外でした。
相続に関しては，資産家に比べて普通のご家庭のほうが3倍以上もトラブルになっているんです。
どうしてなんでしょう。
ここから先は私の推測ですが，資産家と呼ばれるご家庭は，遺言や相続対策をしっかり考えているのではないでしょうか。
大きな資産ですから，税金対策なども含め家庭内のトラブルがないよう様々な手を打っているのだと思います。
逆に一般のご家庭では，「そんなに財産はないよ」「家族仲がいいから心配ない」と言って，
何も対策をしていないことが多いのではないでしょうか。
その結果が司法統計に表れている，と思いませんか。
ドラマと違って，相続のトラブルは意外と身近にあるものです。
せっかくこの記事をご覧になった「あなた」，一度相続や遺言について考えてみてはいかがでしょうか。
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