知って安心!子供がいない夫婦が遺言を残すべき3つの理由

遺言

どもがいない夫婦のどちらか一方が亡くなった場合、残された配偶者にすべての財産が引き継がれると思っていませんか?

実は・・・そうならないことがあります。

遺言書があれば、その内容に従って相続財産を継承するのですが、遺言書がない場合は、法定相続割合に沿って財産が拡散する可能性があります。

そうならないためにはどうすればいいか、解説していきます。

子どもがいない夫婦の一方が死亡したら

子どもがいない夫婦の一方が亡くなった場合、残された配偶者にすべての財産が行くとは限りません。
例えば、亡くなった方のご両親がすでに他界していて、兄弟姉妹(もしくは甥・姪)もいない場合、つまり亡くなった方の法定相続人が残された配偶者だけの場合は、すべての財産が配偶者に渡ります。
逆に言えば、亡くなった方に法定相続人がいる場合、その法定相続人にも夫婦の財産が渡ることがあります。
この場合の法定相続人は、父母や祖父母、兄弟姉妹と甥・姪になります。
亡くなった方の父母や祖父母がご存命であれば、配偶者の法定相続分は相続財産の2/3、父母や祖父母が他界していて兄弟姉妹がいる場合は、配偶者の法定相続分は相続財産の3/4になります。
そのため、遺言書を作成していない場合、亡くなった方の父母や兄弟姉妹との間で遺産分割協議をしなければなりません。
子どもがいないご夫婦であれば、財産は残された配偶者に引き継いでもらいたいと思うでしょうが、遺言書を残していないと、思いは叶わないかもしれません。

子どもがいない夫婦が遺言書を残すべき3つの理由

先ほど書いた通り、子供がいないご夫婦は、残される配偶者にできるだけ財産を遺したいと思います。
そのためには遺言が必要になりますが、その理由を説明します。

遺言者のご両親がご存命である場合

遺言を書き残す方のご両親がご存命であれば、ご両親の法定相続分は相続財産の1/3になり、さらに遺留分侵害額請求権は1/6になります。
(遺留分侵害額請求権とは、相続財産のうち法定相続人が必ず受け取る権利がある割合)
この場合、遺言書がなければ相続財産の1/3を法定相続分として請求されることもありますが、遺言書に「全財産を妻(または夫)に相続する」と書くことで、請求される相続財産の割合を遺留分侵害額請求権の1/6まで減らすことができます。
全ての相続財産を配偶者に残すことはできないかもしれませんが、遺言書を書き残すことで出来るだけ多くの相続財産を残すことができるのです。

遺言者のご両親がすでに他界して、兄弟姉妹がいる場合

遺言を書き残す方のご両親がすでに他界していて、兄弟姉妹(または甥・姪)がいる場合、兄弟姉妹の法定相続分は1/4となります。
そして兄弟姉妹には遺留分侵害額請求権がありません
という事は、遺言書に「全財産を妻(または夫)に相続する」と書くことで、すべての財産を配偶者に残すことができるのです。
逆に言えば、遺言書を残さない場合、相続財産の1/4を請求されることがある、という事になります。
配偶者に相続財産をすべて残すためには、遺言書を書き残す必要があるのです。

兄弟姉妹がご高齢である場合

亡くなった方がご高齢であれば、その父母や兄弟姉妹もまたご高齢です。
そして遺言書を残さずに亡くなった場合、配偶者は亡くなった方の父母や兄弟姉妹で遺産分割協議をしなければなりませんが、父母や兄弟姉妹のどなたかが認知症などで判断能力が十分でなかったら、遺産分割協議は開けません
家庭裁判所に申し出て、成年後見人を選任してもらう必要があります。
そして選任された成年後年人は、被成年後見人(この場合は認知症になった父母や兄弟姉妹)の法定相続分を確保しようとします。
成年後見人は被成年後見人の財産を守るためにあるのですから、当然なのですが・・・
そうすると、成年後見人を選任するために1か月以上の期間がかかり、さらにすべての相続財産を配偶者に残すことは叶わなくなります。
この様な状態になるのを避けるためには、遺言書を残すしか方法はありません。

子どもがいない夫婦が遺言を残すべき理由、お分かりいただけましたか?
残された配偶者に、できるだけたくさんの相続財産を遺したいとお考えでしたら、ぜひ遺言書の作成をお考え下さい。

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